本研究ではチーズ感エンハンス効果をもつcis-4-methyloctan-5-olide (日本食品科学工学会第63回大会で報告)の炭素数の異なるcis-4-methylalkan-5-olide類の合成を行い、それぞれの香気を比較しました。その結果、5位の側鎖の長さの違いによる香気特性の変化を確認しました。更にこれらと4位にメチル基をもたないδラクトンとの香気比較を行い、4位にメチル基をもつものは、もたないものよりもケミカル臭が弱く、焦がしたような独特な甘い香りを持つことを見出しました。また、プロセスチーズへの添加試験では酸味や厚み、後残りをエンハンスすることを確認しました。
なお、本研究成果は、第60回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(2016年)において「cis-4-methylalkan-5-olide類の香気特性とその活用」の演題にて口頭発表いたしました。